
あらすじ
女子高生たちの眩しい日常と、密やかな熱を帯びた恋模様を丁寧に描く百合群像劇。
幼馴染、クラスメイト、先輩後輩、さらには先生まで。
友達以上・百合未満の揺れ動く関係や、肌で感じるほど近い距離感――
多彩なカップリングが織りなす、コミカルで少し刺激的な日々。
常にそこにあると思っていた風景に、「卒業」の二文字が静かに寄り添う。
ついに最終巻。1巻1話目から変わらない、愛おしい日常のひとこま。
読み終えたあと、彼女たちの明日もまた続いていくと信じられる、全百合ファン必読の集大成です。
全人類に捧げたい。百合群像劇の最高傑作『オトメの帝国』
終わってしまったという寂しさと、ありがとうという感謝がごちゃ混ぜになった、不思議な気持ちです。
1巻から追い続けて、気づけばもう15年。感慨深さが胸に込み上げます。
ジャンプ+で読んでいて、唐突に「次週最終回」と告知された時のあの、心臓が止まるような感覚。
「え、嘘でしょ……?」と画面を5度見くらいして、しばらく絶望で動けなかったのを覚えています。
すべてのカップリングのたどり着く未来を見たかったというのも本音です。
それでも、ひとつの巻として読んでみれば、ただただ怒涛、圧巻の一言に尽きます。
キャラクターたちの関係性がより緻密に描かれ、各カップリングの魅力が確かに感じられました。
electrickissesでは「静電気×キス」をテーマに、それぞれのカップリングの関係性が見事に描かれていて脱帽。
最終巻にきてまさかの美好とゆみみの関係が明らかになったり、のののん先輩の特技に驚かされたり。
カップリングのほとんどが顔を出し、後半から参加してきた先生’sの社会人百合もきちんと描かれていました。
そして今回は、ほのエリを筆頭に過去が描かれることが多かった印象的です。
おのなな回では遥が奏恵を好きになる切っ掛けが描かれていましたが、今までの奏恵の内情を知っている身からすると「寡黙www」って部分に妙に笑いが込み上げてきたり。
ほのかが漫画書きになるまでがあり、かおかおの妹ほのかへの深い愛もしっかり感じられました。
この人なんだかんだちゃんとお姉ちゃんしてるんだよなー。
あ、ちゃんとかおまよもありますよ。
ちなみに最終話ですが、実は1巻の1話目とテーマが一緒なんですよね。
1話目と最終話を比べたとき、百合の解像度がどれだけ変化したかを実感できるはずです。
まさに始まりの終わり。
終わりは特別なものではなく、切り取られた日常の一コマたちを見終わっただけ。
これからもずっとみんなの物語は続いていくんだと、貴重な高校時代の日常を少しの間を覗き見させてもらったなーと感じました。
過去が描かれたことで、それぞれの未来が立ち上がってくる。
今まで『オトメの帝国』を読んできた読者にとって、間違いなくご褒美のような最終巻だったと思います。
そして、ほのエリ回の鬼火部長の存在を通して、この作品は百合漫画という枠を一度はみ出してくる。
彼女が語る「描くこと」への苦悩や情熱は、キャラクターの台詞でありながら、どこか岸先生自身の声のようにも聞こえました。
「どんな涙も乗り越えるだけの力をくれた漫画という行為―それを憎む日がいずれ訪れる」
※本文の鬼部部長のセリフより引用
この言葉は、百合の文脈とは関係なく、創作という業を背負った岸先生自身の魂の叫びのように聞こえ、心臓をまっすぐ撃ち抜かれました。
好きだったはずのものが、救いであると同時に呪いにもなる瞬間を、あまりにも正確に言葉にしているからだ。
正直、百合漫画でここまで感情を持っていかれるとは思ってませんでした。
鬼火部長が関わるエピソードは、恋愛やフェチの話ではなく、「創作とは何か」「それでも描き続ける理由は何か」を問う、魂の物語だったと思います。
こんな魂の語りを、ほのかへ投げかけることになる出来事とは一体何だったのか。
そして、その後に鬼火部長が取った行動に、全然百合関係ないのに心臓がギュンとしました。
(いや・・・これも愛と捉えればある意味百合なのか???)
何があったのかは、ぜひ本編で確かめてみてください。
なぜ『オトメの帝国』は百合群像劇の最高傑作なのか
思い返せば、はじめの頃は、実はあまり好きな作品ではなかったんですよね。
なんかこう……女子校ノリの延長でベタベタしている感じというか、ただただエロが強調されている印象で、絵もちょっと肉感的。
下品に見えるところばかりが目についてしまい、百合かなぁ?という気持ちが少なからずありました。
掲載誌の色みたいなものもあったのかもしれませんが・・・
しかし巻が進むにつれて、絵も心理描写もかなり緻密に表現されるようになり、女子高生のリアルさと漫画ならではのファンタジーが両立する唯一無二の作品になっていきました。
百合の尊さを改めて認識させられ、初めて「尊死するかも」と身悶えながら読んだ作品でもあります。
何度声にならない叫びを上げたかわからない。
『オトメの帝国』では、回を重ねる毎に素晴らしいカップリングが生み出されました。
普通の百合作品は、主軸のカップリングがいて、その二人の恋模様を中心に描くものが大半です。
しかし本作は、ふんわりしたものからガチのものまで、多種多様なカップリングと関係性があります。
最初モブ位置にいたのにいつの間にか主カップルなっていたりして、乱立と呼んでもいいほどカップリングが存在します。
つまりは尊いの宝庫なのです。
「尊いとはこういうことさ」っていいながら『オトメの帝国』を差し出したい。
一応メインとなる主人公的カプはいるものの、実に総勢十数組ものカップルの日常と、女の子同士の関係性がコミカルに、情熱的に、繊細に、時には変態チックに丁寧に描かれていて、これほど秀逸な百合の群像劇は他にはないと思います。
(※カップルとは言うものの実際に付き合っているのは一部です)
話の進め方も独特です。
1話ごとにどれかのカップリングの話が進み、数話後にそのカップリングの続きが読める、という構造。
早く続きが読みたいのに!というもどかしさもありますが、同時に「あぁ、今読んでいるこのカプも最高だ―!」ってなります。
あと、この裏であんな事が進んでいるかも…みたいな妄想も捗ります。
はい捗りました。
推しカプは?と聞かれたら胸を張って全部ですと答えます。
本当にそれぞれ良さがあって魅力的なんですよ。
最初に爆発したカプは「あーちえ」。
「みよあや」の幼馴染の距離感も大好物。
ソフトSMな「ゆうまり」も毎回ゾクゾクする。
たまにある優さまのデレ回では、毎回キュン死確定です。
さらに、「かおまよ」と「ほのエリ」の間に登場する鬼火部長もwww
鬼火部長は所々で作品に深みを加えてくれ、人として、そしてクリエイターとしても大好きな存在です。
まじで最終巻でがっつりこの人に心持っていかれましたー。
推しカプ達と岸先生に心からの感謝を!
ジャンプ+で毎週追いかけていたので、最終回はもう読んではいたんですが…
発売日の深夜に電子書籍で最速で買ったものの、読んでしまったら本当に終わってしまう気がして、最終巻を読むまでに2ヶ月もかかってしまいました。
毎週水曜日の朝、電車でジャンプ+で読んではニヤニヤしながらいいじゃんボタンを押しまくってました。
なんで10回しか押せないんだーって毎回思うくらいに、最高な作品でした。
応援コメントも愛に溢れてて、一緒にキュン死してる人みて嬉しくなったし、そうだよね!と共感する部分もあったし、なるほどそんな見方が?!と気付かされる部分も。
最後コメントまで読むところまで含めて一つの作品だったなーとしみじみ感じます。
新作読めないのももちろんですが、同志に触れられないのがまた寂しい。
連載の途中で「12巻の売れ行きによっては13巻で完結となる可能性がある」みたいな、ツイートだか記事を見ては?マジ?いや終わらせん!!!って、オトメの帝国推しに完全スイッチ入ったのもあの頃だった気がします。そのあといつの間にかジャンプ+で連載が始まってて毎週幸せを享受出来るようになったんですよね。
未読の方は、ぜひジャンプ+アプリでも読んでみてください。
休載週のミニっていう極短編漫画も数ページなのにぎゃーエモいーってなるので!!
このページ数でこれを魅せる岸先生天才か?って毎回なってました。
ジャンプ+の連載始まってからは、カップリング人気投票でボイスコミック化とかいう神企画もあり、本当に日々に潤いを与えてくれた作品でした。
ちなみにボイスドラマはYouTubuで聞けますよ!
一番下にリンクを置きますので、耳と心を幸せにしてください。
さらに、各カップリングをまとめたスペシャル巻も発売されています。
カプに没入して読み込みたい方はこちらがおすすめです。
ただし、1巻から17巻までのまとめなので、最終巻までのまとめではないのでご注意ください。
- オトメの帝国/みよあやスペシャル
- オトメの帝国/ほのエリスペシャル
- オトメの帝国/あーちえスペシャル
- オトメの帝国/あさみおスペシャル
- オトメの帝国/おのななスペシャル
最終巻の感想というより、初期から読み続けた感想になってしまいましたが…
とりあえず、全巻あと数十回は読み直すでしょう。
興味がおありの方はぜひ読んでみてください。
どのカップリングかは絶対にぶっ刺さるはずですから。
というか、全百合好きに読んで欲しい。
読んで?飛ぶから。
最後に岸虎次郎先生、体調のお悪い中、最後まで描き上げて頂き感謝の念に堪えません。
長い間、本当にありがとうございました。
【完結記念】今からでも遅くない!一気読みのススメ
オトメの帝国はすでに完結しているので、
今から一気読みするのもおすすめです。
私は紙の単行本も、電子書籍も両方買っています。
紙で本棚に並んでいるのを見るのも好きだし、
電子書籍でいつでも読み返せるのも便利で。
どちらで読むかは好みだと思うので、
自分に合う形で手に取ってもらえたら嬉しいです。

オトメの帝国 20巻(完結)
それは遠い憧れや深い愛が 現実へと還る歳月
一瞬のようで 15年ちかく経つかのようで時も心も留まらない 線香花火みたいな眩い日々
褪せない記憶と かけがえのない友ならできた
私たちが得たその価値は きっと想像の20億倍!
※公式サイト・配信ストアに掲載されている作品紹介文より引用
【作品情報】岸虎次郎 / ヤングジャンプコミックス / 集英社
▼ 電子書籍で読む(準備中)
▼ 紙の単行本で読む(準備中)
ジャンプ漫画ボイスコミック
まずはこのボイスコミックを聴いてみてください。キャラの解像度が爆上がりします!
【ジャンプ漫画/ボイスコミック】『オトメの帝国』美好×綾乃(cv:安済知佳・葵ひびき)
【ジャンプ漫画/ボイスコミック】『オトメの帝国』亜衣×ちえ(cv:伊瀬茉莉也・佐藤聡美)
【ジャンプ漫画/ボイスコミック】『オトメの帝国』ほのか×エリーシャ(cv:上坂すみれ・上田麗奈)
一人でもオトメの帝国を愛してくれる人が増えてくれたら幸せです。


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